初心者だらけの釣り
夏休みが始まった。海か、キャンプか、釣りかの三つの選択肢の中から「釣りやってみたい!」と集まった子どもが2人。
付き添いの大人が1人、合計3人の少人数による夏の行事が決まった。
ただし、釣りの経験者無し。
「釣りやったことないけど大丈夫かな」、「釣■スピで練習しとこ」なんて子どもの話を聞きつつ、1匹も釣れなかったらどうしようと心の中で思いながら当日を迎えた。
天気は快晴、準備は万端、車の中で目的地に向かいながら「俺ら1匹も釣れなかったどうしよう」なんて後ろの席で言いながら、釣り堀に到着した。
おじさんから釣りの説明を聞いて、早速初めての釣りの時間が始まった。
今日は丁度、魚の仕入れの日で1時間後には届くそうで「俺たちタイミングめっちゃいいね!」と気持ちも上がってきた。
届く時間までゆっくりしながら釣竿を池に投げる。別にもう釣っても構わないんだろと釣り上げる気満々な二人だったが、中々餌にかからない。
気が付けば仕入れた魚が届く時間が来てしまった。
全員の頭に「1匹も釣れない可能性」が浮かんだとき、「あ!かかった!」と竿に反応があった。
続いてもう一人、「俺も来た!」と連続で釣り上げていく。
今までかからなかったのが嘘のようだ。
貰った餌を全て使って最終的には14匹のニジマスやイワナなどを釣り上げた。
初心者二人の釣りの才能が開花する瞬間を目撃した。
最終的に釣り上げた中で1番大きな魚はさばいてもらいお刺身に。一人2~3匹を塩焼きにして昼食とした。待ってる間、近くを流れる川で冷やした冷たい飲み物を味わいながら「思ってたよりも釣れたね!」「釣りにしてよかった!」と楽しそうに話している。初めてやってみた感想を語り合いながら調理されるのを待ち続ける。できあがった料理が机に並べられていく。釣り上げてすぐということもあり新鮮なお刺身に二人は感激しながら塩焼きもきれいに完食し、自然の景色を楽しみながら食事を楽しんだ。
残った魚をクーラーボックスに入れて、釣り堀の店主に調理方法を教わりながら終わりの時間がやってきた。帰りの車の中では再び初めての釣りの感想を語っている。運転中で表情までは見れないが、声色から相当楽しかったんだなというのが伝わってきた。
釣りの経験者無しという不安から始まった行事は、大成功という形で幕を閉じたのだった。